年金カット法案とは?年金支給額減額で生活苦確定
2016年10月、安倍政権は「年金カット法案」と呼ばれる法案の成立を目指しています。
この年金カット法案が成立すると、国民年金で年間4万円の減額、厚生年金保険で年間14.2万円の減額となると試算されており、年金受給者の生活を圧迫するでしょう。
年金カット法案の説明をするにあたり、年金支給額の決定方法を知る必要があるので、簡単に説明します。
年金は現役世代の負担が大きく不公平という問題を抱えていたので、保険料を固定し、年金支給額を減らすということが決まりました。
以前の年金支給額は、物価の上昇・下降に応じて増減していましたが、これを現役人口の減少や平均余命の伸びを考慮した「マクロ経済スライド」によって決定することになったのです。
しかし、制限を付けたので今までに1度しか発動されず、これではいけないということで、新たに賃金の増減も考慮に入れようとしたのが「年金カット法案」です。
したがって、年金カット法案とは、物価が上がっても賃金が下がれば年金支給額も減額される最悪の法案なのです。
厚生労働省の試算では3%の減額で、将来の国民年金の額が7%(月5,000程)増えるとされていますが、民進党の試算では5.2%の減額(国民年金で年間4万円の減額、厚生年金保険で年間14.2万円の減額)とされています。
将来、国民年金の額が増えるという厚生労働省の試算も信じられないですね。
年金カット法案でGPIFの運用損の埋め合わせ
平成27年度の公的年金運用損は5兆3千億円で説明しているとおり、安倍政権はGPIFに株を買い支えさせたために大きな損失を出しています。
もちろん、GPIFが使ったお金は国民の年金です。
安倍首相はその謝罪もせずにいるわけですが、将来的に年金制度がヤバいと思って、年金カット法案の成立を急いでいるのでしょう。
しかし、そこでも、「世代間格差をなくすため」という理由を付けて、自分に責任が向かないようにしています。
年金カット法案で将来はどうなる?
年金カット法案が成立すると、年金支給額は大きく減額されます。
厚生年金保険の加入期間が長ければ減額だけで済みますが、国民年金のみの人や厚生年金保険への加入期間が短い人は、それだけでは生活できません。
そうなれば、当然、生活保護を受けることになります。
政府は、厚生年金保険に加入させようと加入条件を下げたり、加入を逃れている労働者を取り締まったりしていますが、それでも生活保護を受ける人は増えていきそうです。